知ってた?子猫にまつわる春の俳句

猫と桜

春は子猫の季節です。ちゃんと「猫の子」も春の季語になっているんですよ。
俳句と言えば、誰しも小学校で習った小林一茶。小さいものを愛した一茶は「雀の子そこのけそこのけ御馬が通る」「やせ蛙負けるな一茶これにあり」など、小動物を詠んだ句をたくさん残しています。もちろん、猫や子猫を詠んだ句も。長野にある『小林一茶記念館』なんて、猫さんが館長を務めているほどです。

春にちなんで、子猫を詠んだ句を調べてみました。季語である「猫の子」で27句、「こねこ」で11句の俳句が詠まれています。ちなみに、生涯で2万句を越える俳句を残した一茶は、猫の句だけで354句を数えます。

中には「猫の子のほどく手つきや笹粽(ささちまき)」と「猫の子の届く手つきや笹粽」のように似たような句もありますし、猫の子を季語としない別の季節の句もあります。今回は、全部をご紹介するのではなく、春の句だけをいくつかご紹介しましょう。

猫の子や秤にかゝりつゝざれる

猫の子の重さを量ろうと秤の乗せたところ、体重を量られながらもじゃれている。…っ。息を呑むほど可愛らしい光景ですよね。江戸時代のことですから、秤というのは、棒の両端にザルやなんかを二つ吊した天秤でしょう。ザルに乗せられて、身をくねらせながらじゃれているのは、受け皿を吊すヒモ?それとも、量っている人の手でしょうか。

母猫が子につかはれて疲れけり

育児中の母猫は、母乳をあげなければならないうえに、危険を感じればなんども引っ越しを繰り返しますし、自分のご飯だって調達しなければなりません。比喩ではなく、げっそりとやせこけ、毛だってぼさぼさ。「髪を振り乱して」という感じで子育てをするのです。
母猫を呼んだ句には「母猫や何もて来ても子を呼る」というのもあります。

女猫子ゆへの盗とく逃よ

子猫のために盗みを働いた母猫に「疾く逃げよ」と呼びかけるのは、人として不謹慎でしょうか。人には、母猫の寄り添うやさしさも大事なのかもしれません。
同様の句に「人中を猫も子故のぬすみ哉」「盗ませよ猫も子ゆへの出来心」があります。

猫の子の十(とお)が十色(といろ)の毛なみ哉

猫は恋の季節になると、たくさんのオスと交尾します。ですので、同じお母さんから生まれても、みんなお父さんが同じとは限りません。5匹生まれて、ぜんぶお父さんが違うということもあるんです。同じお父さんであっても、模様の出方はそれぞれ違います。
同じ白黒ブチでも、背中にハート模様があったり、メスなのにチョビ髭模様があったり。みんな違って、みんなイイ。それが子猫というものです。
同様の句に「黒虎毛十が十色の毛なみ哉」があります。

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なりふりも親そつくりの子猫哉

とはいえ、子猫はみんな親猫に似るもの。お母さんも、この世で生きていく方法を一生懸命教えます。だから、狩りの仕方(幼いうちは兄弟げんかゴッコですが…)も、走り方も似てきます。親子でまったく同じ姿勢で寝ているのもほほえましいですよね。

若猫がざらしなくすや桑李(くわすもも)

子猫が小さいものをちゃいちゃいっと転がしていって、挙げ句の果てにはなくしてしまうのは、今も昔も変わりません。どうせタンスの下かなにかに転がし込んだのだと思います。でも、スモモなどは後で変わり果てた姿で発見されそうでコワイですね。

蝶(ちょうちょう)を尻尾でざらす小猫哉

うねうねと尻尾を動かして、蝶々と戯れる子猫。春の日の心和む光景です。そばには菜の花なんか咲いていて、光は明るく穏やかで…と情景が目に浮かぶよう。
同様の句に「蝶を尻尾でなぶる子猫哉」があります。

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