保護施設に収容されていた猫たちが資金調達に成功-(後編)

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保護猫だからって安売りはしない

代表の河瀬さんはもともと、実家のベーグル屋さんをお手伝いする中で、通販サイトの運用をしていました。小さいころから猫が好きで、ベーグル屋さんの看板も猫をモチーフにしていたのだとか。通販サイトの運用を通じて、「商品がある幸せな未来を想像させる」ことが、ユーザーの心を動かす鍵となることに気付きます。そうしてベーグル屋さんのサイト運営を軌道に乗せている中、東日本大震災が起こります。

そこで河瀬さんは、多くのペットたちが取り残されていることを知りました。すぐに東北に行くことはできなくてもなにか自分にできることはないか必死に考えて、動物保護団体に寄付するための特別商品を作ってネットで販売したところ、これが大ヒット。
想像を大きく上回る反響に、河瀬さんは猫を救いたいと思っている人たちが実は世の中にたくさんいることを知ります。そして自分たちの払っているお金がなにに使われているのかが明確になれば、ユーザーはきちんとお金を払ってくれることにも気付きます。

このことがきっかけで、『頂いた金額の使用方法を明記したうえで商品に付加価値を付け、通常よりもやや高い金額で販売する』というビジネスモデルを確立します。

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今もネコリパの商品はネット販売も行っていますが、商品名の欄には、「この商品のご購入で○○円保護猫活動費に支援されます。」という一文を冒頭に記載。商品の購入をすると、そのうちいくらが保護猫活動に使われるのかが明確にわかるため、多くのユーザーから共感してもらえる上、他社との差別化をはかることもできるそうです。

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ちなみに、ネコリパの資金源となっているのは、販売しているグッズ以外にも「新しくやってきた猫に名前を付ける権利」や、「似合う首輪を選ぶ権利」、「気に入った猫ちゃんのあしながおじさんになれる権利(猫を指定して支援金を出すことで、その人だけにしか見れない猫のフェイスブックページを見ることができ、毎日その猫ちゃんの最新画像を受け取ることができる)」などといった、品物以外の商品も多数あります。

保護猫だからって安売りをするのではなく、保護猫本来の魅力をきちんと伝わる仕組み作りを徹底して、適正な金額を頂く。だってネコリパにいる猫たちはペットショップに飾られている猫と同様、本当に可愛いんです!!ただ人々がその可愛さに気付ける機会がなかっただけで、猫たち本来の魅力をきちんと届けることができれば、お客さんは必ず保護猫たちにお金を使ってくれます。(※譲渡の際は一般的な保護猫同様、費用は頂いておりません。)

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そうやって利益になったお金でまた新しい猫カフェを出店し、さらに多くの猫を保護施設から救出し、ゆくゆくは猫を飼いたいと思った人がまずはネコリパに訪れるようになる大きな流れを作りたい。新しい家族を迎える場としてペットショップが人気なのは、保健所や譲渡施設にはない『ワクワク感』を作るのが上手だからなのでしょう。ネコリパではその上をいくワクワク感をお客様に楽しんで頂くことで、いつかはネコリパで家族を迎えることが当然の世の中になって、殺処分がなくなることを目指していると河瀬さんは言います。

その目標への足がかりとして、今は大阪に保護猫複合施設「ネコビル」一棟を建設予定です。

‘ネコビル詳細はこちら’

ビルは5階建てで「猫カフェバー」「猫作家の作品が買えるネコ市ネコ座」「ネコリパブリック」「猫とお昼寝できる休憩スペース」「シェアオフィス」など、階によってそれぞれ異なる猫とのふれあいを体験できます。今までにないワクワクを体験できるので、猫好きの方はぜひ足を運んでみることをオススメします。

目的を共有することが力に

とはいえ、河瀬さんのやり方に否定的な人もいたといいます。もちろん、なにもかもすべてが順調だったなんてことはないんですよね。そんなとき河瀬さんがどのように壁を乗り越えてきたのか、教えて頂きました。

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「多くの猫たちを救いたい、そんな目的に共感してもらえる人を集めることに私は一番注力しています。人間十人十色で、考え方が違う人がいるのは当然。違う考え方の人に無理に賛同してもらうよりも、考えの異なる人から受ける批判に落ち込むよりも、同じ目的・同じ考えを持った人をもっともっとたくさん集めることに力を使いたいです。」と河瀬さんは言います。だから批判されたとしても、考え方が違う人なんだと割り切っているそう。
そしてそれはお客さんに限らず、一緒に働いてくれる仲間たちについても同じです。ネコリパには社員とアルバイト、ボランティアのメンバーが働いていますが、スタッフ全員が社長と同じ目的を共有しているそうです。「猫を救いたい」という社長の目的に共感して集まってくれたスタッフたちだから、判断基準に明確な軸があり、ブレない強い組織になっているんです。先述した「猫の命名権」や「あしながおじさんになる権利」などの無形商品については、スタッフからあがってきたアイデアを基にしたものも多いとか。

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他にも、河瀬さんの知り合いの有識者たちが、それぞれ自分の知り合いの中で一番の猫好き有識者である人を集めて、「ネコ有識者会議」を開催し、そこからアイデアのヒントをもらうことも多いそうです。河瀬さんと同じ目的を共有する人たちが集まって大きな力を生み出しています。

河瀬さんと同様、猫たちを殺処分から救いたいと思っている方、ぜひ気軽にネコリパブリックを訪れてみてください。悲惨な現実とは無縁の、愛らしい猫たちがお出迎えをしてくれますよ。

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