猫の身分証明書”マイクロチップ”とは?

猫を抱っこする女性

完全室内飼いをしているのであればほとんど問題はないのですが、家の中と外を自由に行き来できる猫の場合は、迷子になる、行方不明になってしまう、あるいは盗難や交通事故などにあう、といった不安は常につきまといます。また、室内飼いであっても、災害時に猫と離ればなれになってしまう、というケースも考えられますね。

さて、迷い猫が無事保護されたのだけれど、所有者がわからない……そんな事態に対応するために、チェックしてみたいのは「マイクロチップ」の存在です。マイクロチップを装着することで、猫の身元確認が可能となります。

マイクロチップは、愛猫の身元確認ができる”住民票”

Microchip_rfid_rice

米粒と比較したマイクロチップ

マイクロチップは、直径約2mm、長さ約8~12mmの生体適合のガラス管に超小型集積回路を封入した、体内注入型の標識器具です。注射器のような形状をした挿入インジェクターで動物の皮下(犬・猫の場合、背側頚部皮下=肩甲骨周辺)に注入します。猫は生後4週齢ころから埋め込みが可能となります。(※マイクロチップを体内に注入してもMRIの撮影に影響はありません。)

チップにはそれぞれ、世界で唯一の15桁の数字(番号)が記録されています。この番号を専用のリーダー(読み取り装置)で読み取ることで、名前や生年月日、飼い主は誰か、連絡先といった情報を世界のどこにいても確認できます。いわば、ペットの住民票というわけです。

保護された猫のマイクロチップを確認することで、その身元が判明し、殺処分にあってしまうリスクが軽減されるなどのメリットがあります。なお、マイクロチップにはGPS機能はないため、行方不明時に居場所を追跡することはできません。

登録データは、「AIPO(アイポ)」が管理

装着するマイクロチップは、国際標準化機構(ISO)11784(動物用電子識別コード体系)および11785(動物用電子識別技術要件)に適合する必要があります。現在、国内では「DATA MARS SA」(スイス)、「AVID」(米)、「Digital Angel」(米)、「TROVAN AEG」(英)の4社のマイクロチップ(ISO規格準拠)が販売されています。いずれも海外のメーカーですが、それぞれ日本の製薬会社や商社が輸入/販売を行っています。

マイクロチップの埋め込みは獣医療行為にあたるため、必ず獣医師が行います。通常はマイクロチップ本体は無料で、埋め込み費用が数千円〜1万円程度。そのほかに、埋め込まれたマイクロチップ番号などを登録し、動物の逸走時などに備えるための登録料は別途1,000円かかります。

マイクロチップ

マイクロチップを埋込んだペットとその飼い主のデータは日本獣医師会の「AIPO(Animal ID Promotion Organization)」(動物ID普及推進会議)のデータベースで管理されており、マイクロチップを埋込んだペットが発見された時には、読みとった個体識別番号をデータベースに照会することによって、即座に飼い主の電話番号等の検索が可能で、飼い主に連絡をとることができます。

登録は、居住の地域によって動物病院、または飼い主さん本人が行います。データの詳しい登録・変更方法についてはこちら‘1大イベント!猫ちゃん、初めてのお引越し’の記事をご覧ください!

マイクロチップ使用のメリットとデメリット
ここで、マイクロチップを使用することのメリットとデメリットについて整理してみましょう。

メリット

・身元確認ができる
・殺処分などを抑制できる
・飼い主さんの自覚を促せる
・猫への苦痛はほとんどなく、半永久的に使用できる

やはり、迷い猫の身元を確認できることで、飼い主さんの特定が容易になり、殺処分など不幸な事態を避けることが最大のメリットでしょう。飼い主さんの情報が入っているため、捨て猫など安易な行動も防止する効果も期待できます。

デメリット

・盗難防止にはならない
・リーダーが完備されていない
・個人情報漏洩の可能性
・拒否反応/破損事故の可能性
・MRTやCTを撮影した時にノイズが発生するため、マイクロチップが埋め込まれている場所付近の主要の有無が判断できない可能性

マイクロチップは、あくまでも迷い猫の発見時に効果を発揮する技術です。外からは装着の有無はわかりませんので、盗難の防止効果は期待できません。前述のようにGPS機能はありませんので、行方不明時に居場所を検索することもできません。また、すべての保護施設にリーダーが完備されているわけではないので、リーダーのない施設で保護された場合には身元の特定に至らない場合もあります。 しかし、平成18年の改正動物愛護管理法 施行以後、全国の自治体でリーダーの設置、マイクロチップ読み取り体制の整備が急速に進んでいます。そのため、公的な保護施設(保健所)では体制が整備されてきてると言えるでしょう。

猫と獣医師拒否反応や破損事故については、これまで目立った報告はほとんどなされていないようです。ただし、そういった事故などがまったくないとは言い切れないため、心配な場合には動物病院などで十分な説明を受け、納得の上で処置を行ってください。

愛猫の身元証明のための重要な選択肢のひとつ

マイクロチップは動物の安全で確実な個体識別(身元証明)の方法として、欧米をはじめ、世界中で広く使われています。

日本の動物愛護管理法では、法令「動物が自己の所有に係るものであることを明らかにするための措置」により、犬や猫などの所有者は、その動物が自分の所有であることを明らかにするためにマイクロチップの装着などを行うべき旨が定められており、近年は日本でも、犬や猫などのペットを中心として利用者が増えているようです。

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