~老猫の介護~ 高齢の猫ちゃんへの接し方

猫の介護

猫ちゃんが老齢になると、人間と同じように、それまでできていたこともできなくなります。老齢の猫ちゃんは一日の大半を寝て過ごします。それが猫ちゃんにとって最もリラックスできる時間です。しかし、寝てばかりいると筋肉や関節が固まってしまうので、猫ちゃんの様子を見ながらマッサージなどを施しほぐしてあげることも必要です。また、体力が落ちると充分に毛づくろいができなくなります。体力や免疫力が低下している老齢の猫ちゃんは、飼い主さんがこまめに体のお手入れをし、体を清潔に保ってあげましょう。さらに、介護が必要になれば、投薬の必要性も出てきます。老齢の猫ちゃんが健やかな毎日を過ごすため、飼い主さんが日常的に気をつけてあげるべきことを考えてみました。

やさしくマッサージ

老年期に入った猫は筋力がなくなってきますので、当然足腰が弱くなります。転落を避けるためにも、上下運動はさせないようにしてください。ただし、寝たきりにならない限りは床を歩かせるなど、飼い主さんが手を貸すなどして少しでも体を動かすことをおすすめします。好きなおやつで誘導したり、おもちゃやじゃらしで遊びに誘ってみたりするなど、猫の状況に合わせて工夫しましょう。

猫 マッサージ2 猫 マッサージ1

もし動くのをおっくうがるようなら、マッサージで筋肉を刺激してあげます。膝をゆっくり曲げ伸ばししてあげれば屈伸運動になりますし、体をやさしくマッサージするだけでも筋肉に刺激を与えることができます。もちろん嫌がる猫もいるので、猫が抵抗しない箇所、気持ち良さそうにしている箇所を探し、様子を見ながら少しずつ行います。あまり強すぎると逆に体を傷つけてしまうので、適度な力でやさしく行うようにしましょう。寝たきりの猫の場合も、体を触っても痛そうなそぶりを見せなければそっと足をさすってあげましょう。

毛づくろいに代わりお手入れを

猫はきれい好きな動物です。元気な時はしょっちゅう毛づくろいをし、体をきれいに保っています。しかし、老齢になるに従い、体力が落ちるため毛づくろいができなくなりますので、感染症などを防ぐためにもこまめにお手入れをしてあげましょう。それにはブラッシングが効果的です。長毛種の場合はできれば毎日、短毛種でも週に2回は行うことをおすすめします。また、毛づくろいをしなくなるとお尻と腰回りが汚れてきます。お尻と腰回りは分泌腺が特に多く、こまめに拭いてあげないと汚れが溜まってしまいます。同様に口周りもフードやよだれで汚れやすい場所です。食事のあとはもちろん、よだれをたらすようになったらまめに拭いてあげましょう。

投薬は素早く確実に!

自宅で猫を介護する場合、投薬の必要も出てくるでしょう。薬を嫌がる猫は多く、投薬をスムーズに行うことは飼い主さんにとって大きな課題。無理に飲ませてしまうと、猫はますます薬嫌いになり、薬を見ただけで逃げ出すようになってしまいます。猫に余計な負担がかからないよう、スムーズな投薬法をマスターしましょう。

錠剤を飲ませる

錠剤を飲ませる

錠剤

1)口を開ける

片方の手で頭を支え、もう一方の手の親指と人差し指で薬を持ち、開いている中指で口を開きます。頭を支える際、目の真横にある頬骨を持つようにします。猫が暴れ出すようなら、一人は頭を支え、もう一人が口を開けるというように誰かに協力してもらいましょう。

2)口の中に薬を入れる

舌の付け根を狙うような意識で、できるだけ口の奥に薬を入れてください。猫が嫌がっているからといって、慌てて投げ込んではいけません。そっと静かに落とすように入れましょう。この時、猫に指を噛まれないよう注意してください。

3)確実に飲み込ませる

錠剤が口に入ったのを確認したら、口を閉じて頭を上に向けさせます。次にのどをさすって薬が舌に流れていくよう促します。薬を飲み込んだ後、すぐにフードを食べさせたり水を飲ませたりすれば、薬は確実に摂取されます。

シリンジで薬を飲ませる

シリンジで薬を飲ませる

液剤

1)シリンジに薬を入れる

液剤の投薬におすすめなのが針のない注射器「シリンジ」です。まずシリンジに液剤を入れます。シリンジはスポイトで代用することもできます。

2)口を開ける

頬の皮を引き上げるようにして口を半開きの状態にします。

3)薬を入れる

犬歯の横の隙間にシリンジを差し込み、ゆっくりと薬を流し入れます。一気に入れると薬がこぼれてしまいますので、様子を見ながら少しずつ入れていきます。顔を上に向けるようにすると、こぼさず飲ませることができます。

4)確実に飲み込ませる

錠剤同様、口を閉じてしばらく頭を上に向けさせます。粉薬の場合、水に溶かしシリンジで飲ませるか、フードに混ぜて飲ませます。

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監修: 東京猫医療センター 服部幸
監修: 東京猫医療センター 服部幸
2003年、北里大学獣医学部卒業。
SyuSyu CAT Clinic院長、アメリカのテキサス州にある猫専門病院の研修プログラムを経て、2012年、東京猫医療センターを開院する。2013年には、アジアで2件目となるISFM(国際猫医学会)のゴールドレベルの認定を取得。
10年間にわたり、猫の専門医療に携わる。
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